アドボカシー(公開日:2023.12.22)
【実施報告】柏レイソル トップチーム選手のみなさんと「子どもの権利」の特別授業を行いました
セーブ・ザ・チルドレンは、子どもたちが「子どもの権利」を学ぶ機会が増えるよう、学校の授業などで使うことができる教材づくりを進めています。これまで、各地の学校や団体のご協力のもとパイロット授業などを行ったり、子どもたちや学校の先生たちの意見を聴いたりしながら、教材の検討を重ねてきました。
2023年11月、教材開発への支援もしているJリーグ・クラブの柏レイソル(株式会社日立柏レイソル)との協働により、クラブ・ホームタウンである千葉県柏市の小学校にて、柏レイソル トップチーム選手の皆さんと開発中の教材を活用した「子どもの権利」特別授業を行いました。
この授業は、年一回開催されている「セーブ・ザ・チルドレン チャリティマッチ」前後のオンラインアンケートなどで、子どもたちから「柏レイソルの選手に話してもらえると、みんな話を聞くしすごく勉強になると思う」、「学校の授業を通じて、選手と一緒に考えたい」といった声が多数寄せられたこともあり、教材の公開を前に実現しました。
学校、サッカークラブ、国際NGOの三者協働による子どもの権利の授業は、Jリーグ・Jクラブの中でも初の試みです。
小学校6年生を対象に行われた授業では、柏レイソルのトップチーム選手5人(オウイエ ウイリアム選手、山本桜大選手、落合陸選手、熊澤和希選手、モハマド ファルザン佐名選手)が、交代で参加しました。
授業の前半では、「子どもの権利条約」で定められているさまざまな子どもの権利 について、ジェスチャーや言いかえで表現したり当てたりするアクティビティに挑戦。後半では、「意見を聴かれる権利」(第12条)を中心に、安心して話せることや一人ひとりの意見を尊重することについて、子どもたちと選手がグループに分かれて意見を出し合ったりしました。
最初のうちは緊張していた様子の子どもたちからも、選手たちとやり取りする中で、だんだんと「子どもの権利条約の〇条が大事だと思う」、「子どもに関する問題として、貧困問題に関心がある」といった意見が出てきました。
また、授業後のアンケートでは、何人もの子どもたちから「こんなにもたくさんの権利があることを初めて知った」との声があがったほか、次のような感想・意見が寄せられています。
・安心して話せるってこんな気持ちなんだなと思いました。
・柏レイソルの選手たちが各机に来て、意見を話し合うときにうなずきなどをしてくれたから話しやすかった。
・社会では習わなかった新しい権利について知れて、困ったときにも知識として使える。
このほか、「子どもの権利について1つ1つ知りたいなと思いました」、「今後どのような人権ができていくのか」、「逆に大人の権利は何があるのか知りたい」など、授業を機に、人権や子どもの権利についてもっと知りたいと感じた子どもたちも多くいた様子です。
授業に参加してくださった柏レイソルの選手のみなさんの感想も、ご紹介します。
<落合陸選手>
子どもたちが真面目に授業に取り組んでくれて自分達にとっても貴重な時間となりました。子どもの権利という難しい授業でも意見を伝えたり、考えたりする姿を見て感心させられました。子どもと触れ合う時間、交流する重要性を経験できたので、来シーズンもこの経験を生かしていきたいと感じました。
<熊澤和希選手>
子どもたちと同じ目線に立って考える事ができ、初心に戻ることができました。意欲的な小学生と一緒に授業をやった事で、とても元気をもらう事が出来ました。もう一度今の自分を見つめ直して、これから先、もっと努力して取り組んで行こうと思えるきっかけになりました。
<モハマド ファルザン佐名選手>
今回の活動を通して、自分が小学生の時にこういったことを学んでいなかったので、とても大切なものなのだと考えさせられました。子どもが子どもの権利を知る事はとても大切で、自分の事を守れたりすることもあると思うので、こういった活動に関われて良かったです。またこのような機会があれば積極的に参加したいと思いました。
<山本桜大選手>
子ども達が積極的に授業を受けてくれて、一人ひとりがしっかりと考えて授業に参加してくれていたので良かったです。自分も初めての経験で少し戸惑いましたが、ジェスチャーを使いながらのゲームなどを通して子どもの権利について楽しく授業ができました。
<オウイエ ウィリアム選手>
自分が小学生の時に子どもの権利の授業がなかったので、こういった取り組みを受けれる子ども達は、とてもいい経験だなと思いました。自分も子どもたちからエネルギーをもらえてとてもいい体験ができました。
※授業の様子について、柏レイソルの公式アカウントによる紹介 もご覧ください。
社会のすべての人たちが子どもの権利を知り、尊重できるように
セーブ・ザ・チルドレンで開発中の教材は、主に学校の授業で活用いただくことを想定していますが、子どもたちの人権を保障していくうえでは、社会のさまざまな場面で、すべての人たちが人権や子どもの権利について理解を深める必要があります。
2023年9月に株式会社コドモンと共同実施した 保育・教育現場対象のアンケート調査 でも、保育の先生たちなどが求めたい施策として、子どもに関わる職員などを対象とした教育機会の充実(71.7%)とならんで、「子どもの権利について大人・一般市民を対象とした教育の充実」の回答が71.3%にのぼりました。
自分自身にある権利について知ることは、日々の生活で自分や周りの人たちを大切にし、困ったときには助けを求められるようにするためにも大切です。子どもの権利条約でも、条約の締約国には子どもの権利を周知していく義務があると規定されています(第42条)。
また、2023年4月に施行された「こども基本法」でも、子どもの権利を啓発すること(第15条)、子どもに関する施策を進める際には子どもたちをはじめ当事者の意見を聴くこと(第11条)が定められており、今後学校や地域、社会の中で子どもの権利を学び・実践していく機会が増えることが期待されます。
セーブ・ザ・チルドレンでは、引き続き多様なパートナーと協働しながら、子どもの権利の啓発・推進に力を入れていきます。
(アドボカシー部 松山晶)
2023年11月、教材開発への支援もしているJリーグ・クラブの柏レイソル(株式会社日立柏レイソル)との協働により、クラブ・ホームタウンである千葉県柏市の小学校にて、柏レイソル トップチーム選手の皆さんと開発中の教材を活用した「子どもの権利」特別授業を行いました。
この授業は、年一回開催されている「セーブ・ザ・チルドレン チャリティマッチ」前後のオンラインアンケートなどで、子どもたちから「柏レイソルの選手に話してもらえると、みんな話を聞くしすごく勉強になると思う」、「学校の授業を通じて、選手と一緒に考えたい」といった声が多数寄せられたこともあり、教材の公開を前に実現しました。
学校、サッカークラブ、国際NGOの三者協働による子どもの権利の授業は、Jリーグ・Jクラブの中でも初の試みです。
小学校6年生を対象に行われた授業では、柏レイソルのトップチーム選手5人(オウイエ ウイリアム選手、山本桜大選手、落合陸選手、熊澤和希選手、モハマド ファルザン佐名選手)が、交代で参加しました。
授業の前半では、「子どもの権利条約」で定められているさまざまな子どもの権利 について、ジェスチャーや言いかえで表現したり当てたりするアクティビティに挑戦。後半では、「意見を聴かれる権利」(第12条)を中心に、安心して話せることや一人ひとりの意見を尊重することについて、子どもたちと選手がグループに分かれて意見を出し合ったりしました。
最初のうちは緊張していた様子の子どもたちからも、選手たちとやり取りする中で、だんだんと「子どもの権利条約の〇条が大事だと思う」、「子どもに関する問題として、貧困問題に関心がある」といった意見が出てきました。
また、授業後のアンケートでは、何人もの子どもたちから「こんなにもたくさんの権利があることを初めて知った」との声があがったほか、次のような感想・意見が寄せられています。
・安心して話せるってこんな気持ちなんだなと思いました。
・柏レイソルの選手たちが各机に来て、意見を話し合うときにうなずきなどをしてくれたから話しやすかった。
・社会では習わなかった新しい権利について知れて、困ったときにも知識として使える。
このほか、「子どもの権利について1つ1つ知りたいなと思いました」、「今後どのような人権ができていくのか」、「逆に大人の権利は何があるのか知りたい」など、授業を機に、人権や子どもの権利についてもっと知りたいと感じた子どもたちも多くいた様子です。
授業に参加してくださった柏レイソルの選手のみなさんの感想も、ご紹介します。
<落合陸選手>
子どもたちが真面目に授業に取り組んでくれて自分達にとっても貴重な時間となりました。子どもの権利という難しい授業でも意見を伝えたり、考えたりする姿を見て感心させられました。子どもと触れ合う時間、交流する重要性を経験できたので、来シーズンもこの経験を生かしていきたいと感じました。
<熊澤和希選手>
子どもたちと同じ目線に立って考える事ができ、初心に戻ることができました。意欲的な小学生と一緒に授業をやった事で、とても元気をもらう事が出来ました。もう一度今の自分を見つめ直して、これから先、もっと努力して取り組んで行こうと思えるきっかけになりました。
<モハマド ファルザン佐名選手>
今回の活動を通して、自分が小学生の時にこういったことを学んでいなかったので、とても大切なものなのだと考えさせられました。子どもが子どもの権利を知る事はとても大切で、自分の事を守れたりすることもあると思うので、こういった活動に関われて良かったです。またこのような機会があれば積極的に参加したいと思いました。
<山本桜大選手>
子ども達が積極的に授業を受けてくれて、一人ひとりがしっかりと考えて授業に参加してくれていたので良かったです。自分も初めての経験で少し戸惑いましたが、ジェスチャーを使いながらのゲームなどを通して子どもの権利について楽しく授業ができました。
<オウイエ ウィリアム選手>
自分が小学生の時に子どもの権利の授業がなかったので、こういった取り組みを受けれる子ども達は、とてもいい経験だなと思いました。自分も子どもたちからエネルギーをもらえてとてもいい体験ができました。
※授業の様子について、柏レイソルの公式アカウントによる紹介 もご覧ください。
社会のすべての人たちが子どもの権利を知り、尊重できるように
セーブ・ザ・チルドレンで開発中の教材は、主に学校の授業で活用いただくことを想定していますが、子どもたちの人権を保障していくうえでは、社会のさまざまな場面で、すべての人たちが人権や子どもの権利について理解を深める必要があります。
2023年9月に株式会社コドモンと共同実施した 保育・教育現場対象のアンケート調査 でも、保育の先生たちなどが求めたい施策として、子どもに関わる職員などを対象とした教育機会の充実(71.7%)とならんで、「子どもの権利について大人・一般市民を対象とした教育の充実」の回答が71.3%にのぼりました。
自分自身にある権利について知ることは、日々の生活で自分や周りの人たちを大切にし、困ったときには助けを求められるようにするためにも大切です。子どもの権利条約でも、条約の締約国には子どもの権利を周知していく義務があると規定されています(第42条)。
また、2023年4月に施行された「こども基本法」でも、子どもの権利を啓発すること(第15条)、子どもに関する施策を進める際には子どもたちをはじめ当事者の意見を聴くこと(第11条)が定められており、今後学校や地域、社会の中で子どもの権利を学び・実践していく機会が増えることが期待されます。
セーブ・ザ・チルドレンでは、引き続き多様なパートナーと協働しながら、子どもの権利の啓発・推進に力を入れていきます。
(アドボカシー部 松山晶)