アドボカシー(公開日:2024.11.21)
【子どもの保護】
世界初、子どもに対する暴力撤廃に関する閣僚会議が開催
日本では、児童虐待防止法が2000年11月に施行されたことから、毎年11月が児童虐待防止推進月間として位置づけられています。世界では毎年、子どもの2人に1人、10億人以上の子どもたちが暴力を受けています。セーブ・ザ・チルドレンは2030年までに、あらゆる場面での子どもへの暴力を終わらせるための取り組みを実施しています。
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2024年11月7日、8日に、コロンビアの首都ボゴタにて、子どもに対する暴力を終わらせるための閣僚会議が開催されました。これまでも、子どもに対する暴力をテーマとした国際会議はありましたが、各国の政策決定に強い影響を持つ大臣らが参加する「閣僚会議」の開催は、今回が初めてです。日本の外務省とこども家庭庁を含む約120ヶ国の政府に加え、市民社会、民間企業、学者・研究機関、子どもが参加。セーブ・ザ・チルドレンも世界各地の子どもたち12人と一緒に会議に参加し、会議のパネリストを務め、公式サイドイベントを主催しました。
特に、今回の会議では、セーブ・ザ・チルドレンはユニセフやワールド・ビジョンと連携し、各国政府に対し、子どもたちが生まれてから18歳になるまでの期間を通じて、必要な社会サービスを受けられるように、子どもを守るための仕組みや制度の構築・強化に投資するよう求めました。以下が「子どもの保護の仕組み・制度を強化するための行動枠組み」の概要です。全文はこちらから確認できます。(英語)
子どもの保護の仕組み・制度を強化するための行動枠組み
・すべての子どもをあらゆる形態の暴力、虐待、搾取、ネグレクトや有害な慣行から守る法律や政策を策定し、施行する。
・国、地方レベルにおいて、他省庁/多職種との調整権限を持つ子どもの保護の専門政府機関を設立し、十分な資源を割り当てる。
・子どもを暴力から守るため、予防、早期介入、対応の切れ目のない支援を提供する。
・適切な能力とスキルを持つ多様な児童福祉従事者を育成し、従事者を支援するために十分な資源を割り当てる。
・子どもに対する暴力をなくすことを目的とした決定や行動に、子どもと地域社会が参加する。
・政府のデータシステムを強化し、予防と対応のための計画、施策や政策を改善する。
閣僚会議では、100ヶ国以上の国が子どもに対する暴力を終わらせるための公約を掲げました。体罰全面禁止の法制化を進めることや、養育者支援の拡充など、各国が政策の強化を約束しました。また、40ヶ国以上がこの課題に連携して取り組むための新たなグローバルパートナーシップの立ち上げに合意しました。
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暴力には、身体的、精神的、性的虐待などが含まれます。2歳から14歳までの子どもの約5人に4人が、家庭内で暴力的なしつけを受けています。2030年までに小学校を卒業する4億1,400万人の女子のうち、6,700万人が18歳になる前に結婚するという試算も出ています。ネットいじめや児童性的虐待画像の拡散なども報告されています。
気候危機、紛争、急速に拡大するデジタル環境により、子どもたちはさらなる暴力のリスクに晒されています。特に弱い立場に置かれている子どもたち、女子、紛争下で暮らす子どもたち、移民や難民の子どもたちは、さまざまな形態の暴力に遭遇するリスクがより高くなります。
暴力は、その暴力を受けた時の苦しみに加え、心身の成長にも影響を与え、その影響を一生感じる人もいます。暴力は社会の構造をも弱体化させ、年間推定7兆米ドルの損害をもたらしていると言われます。
セーブ・ザ・チルドレンは、すべての子どもが家庭でも、学校でも、地域社会でも安心・安全を感じられる、子どもに対する暴力が根絶された世界を目指して活動しています。家庭や地域社会と協力して、子どもに対する暴力を防止するための社会規範や行動を促進し、世界中の政府や国際機関と協力して、子どもの保護の仕組みや制度の強化に取り組んでいます。
(海外事業部 子どもの保護エキスパート 宮脇麻奈)
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2024年11月7日、8日に、コロンビアの首都ボゴタにて、子どもに対する暴力を終わらせるための閣僚会議が開催されました。これまでも、子どもに対する暴力をテーマとした国際会議はありましたが、各国の政策決定に強い影響を持つ大臣らが参加する「閣僚会議」の開催は、今回が初めてです。日本の外務省とこども家庭庁を含む約120ヶ国の政府に加え、市民社会、民間企業、学者・研究機関、子どもが参加。セーブ・ザ・チルドレンも世界各地の子どもたち12人と一緒に会議に参加し、会議のパネリストを務め、公式サイドイベントを主催しました。
特に、今回の会議では、セーブ・ザ・チルドレンはユニセフやワールド・ビジョンと連携し、各国政府に対し、子どもたちが生まれてから18歳になるまでの期間を通じて、必要な社会サービスを受けられるように、子どもを守るための仕組みや制度の構築・強化に投資するよう求めました。以下が「子どもの保護の仕組み・制度を強化するための行動枠組み」の概要です。全文はこちらから確認できます。(英語)
子どもの保護の仕組み・制度を強化するための行動枠組み
・すべての子どもをあらゆる形態の暴力、虐待、搾取、ネグレクトや有害な慣行から守る法律や政策を策定し、施行する。
・国、地方レベルにおいて、他省庁/多職種との調整権限を持つ子どもの保護の専門政府機関を設立し、十分な資源を割り当てる。
・子どもを暴力から守るため、予防、早期介入、対応の切れ目のない支援を提供する。
・適切な能力とスキルを持つ多様な児童福祉従事者を育成し、従事者を支援するために十分な資源を割り当てる。
・子どもに対する暴力をなくすことを目的とした決定や行動に、子どもと地域社会が参加する。
・政府のデータシステムを強化し、予防と対応のための計画、施策や政策を改善する。
閣僚会議では、100ヶ国以上の国が子どもに対する暴力を終わらせるための公約を掲げました。体罰全面禁止の法制化を進めることや、養育者支援の拡充など、各国が政策の強化を約束しました。また、40ヶ国以上がこの課題に連携して取り組むための新たなグローバルパートナーシップの立ち上げに合意しました。
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暴力には、身体的、精神的、性的虐待などが含まれます。2歳から14歳までの子どもの約5人に4人が、家庭内で暴力的なしつけを受けています。2030年までに小学校を卒業する4億1,400万人の女子のうち、6,700万人が18歳になる前に結婚するという試算も出ています。ネットいじめや児童性的虐待画像の拡散なども報告されています。
気候危機、紛争、急速に拡大するデジタル環境により、子どもたちはさらなる暴力のリスクに晒されています。特に弱い立場に置かれている子どもたち、女子、紛争下で暮らす子どもたち、移民や難民の子どもたちは、さまざまな形態の暴力に遭遇するリスクがより高くなります。
暴力は、その暴力を受けた時の苦しみに加え、心身の成長にも影響を与え、その影響を一生感じる人もいます。暴力は社会の構造をも弱体化させ、年間推定7兆米ドルの損害をもたらしていると言われます。
セーブ・ザ・チルドレンは、すべての子どもが家庭でも、学校でも、地域社会でも安心・安全を感じられる、子どもに対する暴力が根絶された世界を目指して活動しています。家庭や地域社会と協力して、子どもに対する暴力を防止するための社会規範や行動を促進し、世界中の政府や国際機関と協力して、子どもの保護の仕組みや制度の強化に取り組んでいます。
(海外事業部 子どもの保護エキスパート 宮脇麻奈)