アドボカシー(公開日:2024.08.21)
自治体向け「安心・安全な子ども参加のための実践事例集」を作成しました
セーブ・ザ・チルドレンは、こども基本法制定とこども家庭庁発足の過程で、子どもと政策決定者との対話の機会を設け、こども家庭庁発足後は、意義ある子ども参加の仕組み作りに関する同庁への働きかけや、子ども参加の企画・実施を担う自治体職員向けの勉強会など、これまでさまざまな形で子ども参加に関わってきました。このような活動の中で、継続的に子どもの声や意見を聴く取り組みを行っている自治体がある一方、子どもの意見聴取の機会や場づくりに今後一から取り組む自治体も多く、それに伴い子ども参加の場や機会を企画・運営するための実践的なガイドのニーズが高いことが明らかになりました。
そのようなニーズに応えるべく、私たちはこの度、子どもの権利条約ネットワーク代表・早稲田大学名誉教授 喜多明人先生の監修のもと、「安心・安全な子ども参加のための実践事例集 〜特に自治体において子ども参加を進めるために〜」を作成しました。
本事例集は、2023年5月にセーブ・ザ・チルドレンが発表した「安心・安全な子ども参加のための確認ポイント(以下「確認ポイント」)」に基づき、自治体が主催する子ども参加の機会や場(会場集合型やオンライン形式のワークショップなど)で、主催者などが企画・実施の段階で確認すべき特に重要な点について、国内外で実践された具体的な対応事例を集めたものです。
イントロダクションでは、子ども参加を理解する上で基本となる子どもの権利や子ども参加の定義について、また、子ども参加の機会や場で起こり得るリスクや子ども参加における「安心・安全」について紹介しています。
「安心・安全な子ども参加のための確認ポイント」の項目に対応した事例集では、国内の子ども参加先進自治体(神奈川県川崎市、兵庫県尼崎市、宮城県石巻市)および海外のセーブ・ザ・チルドレンオフィスへのヒアリングを行い、「確認ポイント」のうち、特に重要かつ具体的に行うべき対策がイメージしづらい項目については、子ども参加の担当者へのヒアリングをもとに、事例をまとめました。
また、「子どもの参加の促進のためにーおとなの皆さんへ」というコラムには、監修の喜多先生による、子ども参加に関わる大人へのメッセージが書かれているほか、巻末には参考資料として、セーブ・ザ・チルドレンが実施してきた自治体職員向け勉強会で得られた、安心・安全な子ども参加に関する自治体職員の課題意識のアンケート結果や、国内外の子ども参加に関わる資料集なども掲載しています。
実践に基づく安心・安全な子ども参加のための留意点やリスク回避のための対策について、それぞれの自治体における具体的な取り組みの参考にしていただき、本事例集が、皆さまの地域で子ども参加の仕組み構築を考える、またはさらに一歩前進させるためのきっかけになれば幸いです。
【お問い合わせ】
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン アドボカシー部(担当:山内、武田)
メールアドレス:japan.advocacy@savethechildren.org
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