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アドボカシー
(公開日:2020.10.19)

アジア太平洋地域における気候変動への対策を:若者による訴え

 
セーブ・ザ・チルドレンを含む国際支援団体5団体*は、アジア太平洋地域の12ヶ国に暮らす約1万人の子どもたちと若者を対象に気候変動およびその影響について調査を実施し報告書『Guardians of the Planet』を発表しました。


報告書は、自らの権利[1]行使を妨げている気候危機や自然災害に関する経験について子どもたち自身が意見を共有することを可能にし、子どもたちを中心に据えた気候変動に関連する政策や災害復興計画のための確固たる基盤を構築することを目的としています。

調査結果からは、災害多発地域に暮らすほぼすべての子どもたちが、過去12ヶ月に気候関連の災害による危険を感じたことが明らかになりました。アジア太平洋地域では、洪水などの異常気象は人口移動[2]にも関連しています。また、近年の傾向から災害の頻度や深刻さ、複雑さが増していることも示されています[3]。


2020年5月にインドで発生したサイクロンによる洪水被害の様子

さらに、調査結果からは以下のことも明らかになっています。
  • ・子どもと若者の77%が、過去2年間に、自分が住む地域において気候関連の災
       害が増加し、気候変動の結果、経済活動の機会が減少したと回答
  • ・公教育は、子どもたちや若者が気候危機や災害リスク軽減活動ついて学ぶ主要
       な方法であり、ニュースやソーシャルメディアは公教育に次ぐものである
  • ・子どもたちや若者は、災害発生時は自分たちが最も脆弱な立場となり、次いで
       高齢者と障害のある人、妊娠中の人が脆弱な立場におかれると回答

主な提言の中には、子どもたちが回復力をより身につけるための教育カリキュラムの強化、包括的な災害リスク軽減活動の実施、さらなる植林やプラスチックを使わないことによる環境保全、温室効果ガスの削減などが含まれています。

ラホさん(18歳)は次のように話します。
「気候変動は、絶対に止めることができると思います。私たちに達成できないことなどありません。地方自治体は、産業廃棄物の管理や森林保護、荒れ地の植林に率先して取り組むべきです。また、大気汚染に貢献する産業は許されるべきではありません。すでに施行されている法と政策を、効果的に実施する必要があります。」

本報告書では、政府や地域団体、その他関係者は、すべての気候変動に関連する政策の中心に子どもたちと若者を据えるべきであると訴えています。緊急事態の発生前、発生中、そして発生後において、子どもたちと若者、なかでも搾取や虐待などの被害に特に遭いやすく脆弱な立場におかれがちな少女の保護が優先されるべきであり、これら若い世代が、地方や国、そして地域レベルでの政策決定に携わるべきです。

*セーブ・ザ・チルドレン、ユニセフ、国連子どもと若者メジャーグループ、ワールド・ビジョン、プラン・インターナショナル

[1]https://www.unicef-irc.org/article/928-child-rights-at-risk-the-case-for-joint-action-with-climate-change.html
[2]https://www.unescap.org/sites/default/files/GCMPREP_5E.PDF
[3]https://www.unescap.org/sites/default/files/publications/Asia-Pacific%20Disaster%20Report%202019_full%20version.pdf

 

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