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アドボカシー
(公開日:2018.05.28)

報告書『攻撃される教育 2018(Education under Attack 2018)』を発表

 
セーブ・ザ・チルドレンを含む国際NGOや国連機関、教育研究機関が参加する「教育を攻撃から守る世界連合(Global Coalition to Protect Education from Attack:GCPEA)」は、報告書『攻撃される教育2018(Education under Attack 2018)』を発表し、武力紛争下における学校や大学、教師、生徒などへの意図的で、無差別な攻撃の実情を明らかにしました。


報告書によると、2013年から2017年の間に、教育機関や学生、教育関係者、生徒などに対する攻撃が1万2,700件あり、また、コンゴ民主共和国、イスラエル、パレスチナ自治区、ナイジェリア、フィリピン、南スーダン、シリア、イエメンなどを含む41ヶ国にある教育施設が5回以上の攻撃を受けていることが明らかになりました。

本来、安全で保護された場所であるべき学校や大学が、軍や武装集団による攻撃や暴力の対象となり、なかでも、女子生徒や女性の教師などはその脅威にさらされています。例えば、アフガニスタンで起こった学校への攻撃の約4分の1は、女子校を対象としており、また紛争の影響を受けている国にある学校の校内や学校の近くで、女性や女子生徒が武装勢力のメンバーに拉致され、性的虐待やレイプの被害にあっていることが報告されています。

また、報告書では、2013年から2017年の間、29ヶ国で、学校や大学が基地や兵舎、拘置所、その他の軍事目的で使用されたことも報告されています。学校などが軍事目的で使用されることにより、学校や大学が、攻撃されたり、子どもたちが兵士として利用されたり、生徒や教育者が性的暴力の対象となるリスクが高まります。例えば、さまざまな武装集団により武器庫として利用されたウクライナのある学校は、2015年の1月と2月に、砲撃などの攻撃を6回受けました。

本報告書は、このような凄惨な状況を世界に伝えるとともに、教育をより効果的に守るため、各国政府や国際機関、NGO/NPO団体などの国際社会に対し、以下の提言を示しています。

■「学校保護宣言」への調印と実行、支持により、すべての生徒や教師、教育関係者などが安全な環境で学び、教えることができるよう保証する。

■「武力紛争下で学校や大学を軍事目的使用から守るためのガイドライン」を実行し、学校や大学の軍事目的での使用を避ける。

■攻撃の種類、攻撃対象者の性別、年齢、学校の種別に基づいたデータの分析を行うなど、モニタリングと報告体制を強化し、教育への攻撃を防止し、対処する。

■教育への攻撃を体系的に調査し、違反者を告訴する。

■男女の異なるニーズや経験を考慮に入れながら、教育への攻撃により被害を受けた人へ公平な支援を提供する。

■教育への攻撃を誘発し、その悪化や継続につながるようなジェンダーに基づくステレオタイプに取り組むことを含め、教育が、争いの引き金となるのではなく平和を促し、生徒たちの身体的および心理社会的な保護をもたらすよう保障する。

■可能なかぎり、武力紛争下でも教育への安全なアクセスを維持し、学校や大学など、教育に関連するすべての関係者とともに、教育への攻撃に対するリスク軽減のための戦略と包括的な安全計画の策定を行う。

セーブ・ザ・チルドレンは、パートナー団体とともに、紛争下の生徒や教員、学校などを攻撃から守り、教育施設が軍事目的で利用されることがないよう世界の指導者に責任ある真剣な取り組みを求めていきます。
レポート全文(英語)はこちら
レポート概要(日本語)はこちら

【学校保護宣言キャンペーン】
現在、セーブ・ザ・チルドレンは国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチとともに、「学校保護宣言」への日本政府の調印を目指し、国内で「学校保護宣言キャンペーン」を実施しています。
「学校保護宣言キャンペーン」についてはこちら

 

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