アドボカシー(公開日:2025.09.11)
【開催報告】サヘル・ローズさん&根本かおるさん「学校保護宣言」スペシャル対談を行いました

8月27日に、俳優・タレントのサヘル・ローズさんと国連広報センター所長の根本かおるさんをゲストに迎え、「紛争下の教育」について考えるオンライン対談を実施しました。『学校保護宣言キャンペーン』の一環として開催されたこのイベントには、学生や教育関係者をはじめ、220人を超える申し込みがあり、関心の高さがうかがえました。
対談の冒頭では、セーブ・ザ・チルドレン アドボカシー部長の堀江由美子より、世界の紛争地における教育の現状や「学校保護宣言」について解説を行いました。
現在、世界36ヶ国で61もの国家間紛争が起きており、これに伴って学校や大学への攻撃や軍事利用などが増加しています。こうした「教育への攻撃」から子どもや若者、教員たちを守るためにつくられたのが、国際的な指針である「学校保護宣言」です。
難民支援に長年携わってきた根本かおるさんと、各国の難民キャンプにも度々訪問し子どもたちに寄り添ってきたサヘル・ローズさん。「紛争下の教育」に対するそれぞれの想いを語ってくれました。
根本さんは、「国際法を破っても問題ない」という考え方がまかり通る国際社会に警鐘を鳴らし、ルールに実効性を持たせる動きの中で「学校保護宣言」が非常に重要であると強調。Education(教育)とGenocide(大量虐殺)を合わせた「Edu-cide」(エデュサイド)という言葉を紹介し、教育施設を意図的に攻撃することは子どもたちが将来を担える存在になることを断ち、さまざまな可能性や未来を破壊していると訴えました。
サヘル・ローズさんは、イラン・イラク戦争のさなかに戦争孤児となりながら、日本で学校に行かせてもらったことが自分の考えを持ったり、他者を思いやったりするための「こころの余白」を作ってくれた、と自身の体験を共有。学校に通うことによって心の中に「憎しみの種を植え付けさせられない」と語り、学校はただ学ぶための場所ではなく、子どもが等身大で過ごし、傷ついたこころの居場所として機能すると力強く語りました。

対談では、一般参加者からの事前質問をもとに、ユースメンバーからも問いかけを行いました(左から:根本かおるさん、サヘル・ローズさん、当会モデレーターの堀江由美子、ユースメンバーの篠田歩実、吉田莉々)
「自分の『モヤモヤ』を大切にする」、「微力であっても無力ではない」―― ユースメンバーとの対話より
対談の後半では、現在『学校保護宣言キャンペーン』ユースメンバーとしてセーブ・ザ・チルドレンとともに活動する大学生・大学院生から、参加者の事前質問を踏まえた代表質問がありました。
「一般市民や学生にできることは?」という質問には、サヘル・ローズさんと根本さん双方より、自分が学んだことを毎日の会話の中で周りに伝えたり、映画やドキュメンタリーなど感性に触れるものを通して問題意識を持つことが大事との応答がありました。
また、根本さんは、難民キャンプでのご自身の活動に触れながら、自分が持っている「モヤモヤ」を大切にすることが重要ということも話していました。
「活動してきた中での課題や手応え」の質問には、根本さんからは、2024年10月にノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の功績を挙げながら、想いを持って活動を継続していくことが変化に繋がると語りました。
サヘル・ローズさんは、「微力であっても無力ではない」と語り、たとえ小さなことでも自分ができることに全力でエネルギーを注入すること、迷ったときには立ち止まって俯瞰することが大事だと語りました。
お二人の言葉の数々に、多くの参加者からこころが揺さぶられたとの反響が寄せられました。参加したユースメンバーの声を抜粋してご紹介いたします。
●今回の対談を聞いて、改めて教育は、生きる希望を持つための大切な手段だと思いました。知識を身につけることはもちろん、自分には未来があるという確信を持たせてくれるものだと思います。子どもたちの学ぶ場を守る「学校保護宣言」の重要性を改めて理解することができました。
●貧しい地域に住む子どもたちが夢を語る時、『大人になれたら』と言うという話を伺った際は、非常に胸が締め付けられるような思いでした。このような子どもたちが1人でも減り、自分の夢を明るく語れるような社会であってほしいと思いました。
●教育があることで子どもたちが復讐へ走ることを防げること、学校は子どもたちのこころの拠り所であること、それらを念頭に置いて、(署名キャンペーンで)10万票獲得を目指していきたいです。
サヘル・ローズさん、根本かおるさんのメッセージにあるように、小さなアクションを積み重ねて継続していくことで、「学校保護宣言」に賛同する意義を広く伝え、日本政府による賛同につなげたいと考えています。
引き続き、署名やSNSでの拡散をはじめとした『学校保護宣言キャンペーン』へのご協力もぜひお願いします。
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日本政府に「学校保護宣言」への賛同を求める署名にぜひご協力ください
紛争下で学校や大学を武力攻撃や軍事利用から守るため、「学校保護宣言」への賛同を日本政府に求める署名活動を実施しています。趣旨をよくお読みのうえ、ぜひ個人署名へのご協力をお願いします。
「Change.org」 署名ページ ※18歳以上の方はこちらから
「あすのコンパス」 署名ページ ※18歳未満の方はこちらから
(アドボカシー部 ユースメンバー 吉田莉々)



