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アドボカシー
(公開日:2026.07.10)

【活動報告】公開セミナー「ロヒンギャの子どもたちの教育のいま〜教室からできる小さな国際協力〜」を開催しました!

 


2026年3月18日、東京のセーブ・ザ・チルドレン事務所とオンラインのハイブリッド形式で、公開セミナー「ロヒンギャの子どもたちの教育のいま 〜教室からできる小さな国際協力〜」を開催しました。

現在、ロヒンギャの人々は世界全体で推定200万人おり、そのうち約116万人がバングラデシュの難民キャンプに暮らしています(2026年4月時点)。その約半数は子どもたちです。

2017年のミャンマーでの大規模な武力衝突から8年半、子どもたちは今どのような環境で学んでいるのか―。

セミナーでは、セーブ・ザ・チルドレン海外事業部バングラデシュ駐在員の田部井梢による最新の現地報告に加え、ロヒンギャ難民キャンプ訪問の経験がある中学校教諭の松倉紗野香先生、高校非常勤講師の関愛先生をゲストに迎えてディスカッションを行いました。
学校関係者や学生など78人が対面・オンラインで参加し、多くの質問が寄せられました。



セミナーの冒頭では、バングラデシュ駐在員の田部井梢より、ミャンマーへの帰還が厳しく難民キャンプ内での生活を余儀なくされているロヒンギャの人々の暮らしについて報告がありました。

キャンプでは、竹やビニールシートなど限られた資材しか使えないため、サイクロンなどの水害や火災の影響を受けやすく、人々は 水や衛生、住居に関するさまざまな問題にさらされています。

また、キャンプ間の移動が制限されていたり、就労が許可されないといった状況に加え、近年ではロヒンギャ支援のための国際資金も減少傾向にあります。これにより、2026年4月から世帯ごとの生活支援金(バウチャー)も世帯状況に応じて減額されるなど、人々の生活に影響が広がっています。



このような中、セーブ・ザ・チルドレンなどの国際NGOや国際機関が行っている教育支援として、低年齢の子どもたちが学べるラーニングセンター(Learning Centers)や、思春期の女の子たちが集まる地域密着型の学習スペース(Community-Based Learning Facilities)の開設・運営があります。

2026年3月末に新たに開始した支援事業では、345ヶ所の学習場所で約1万2,630人の子どもたちに授業を届けるとともに、教育ボランティアの研修や養育者向けのセッションなども行っています。


【ディスカッション】なぜ紛争影響下でも教育が必要か


(左上より時計まわり)海外事業部の田部井梢、アドボカシー部の松山、ゲストで学校教員の松倉紗野香先生、関愛先生

続くディスカッションでは、日本の現職教員である松倉紗野香先生と関愛先生を交えて、紛争下における教育の意義をテーマに話し合いました。

松倉先生は、自身が2024年に難民キャンプを訪問した際に、あるロヒンギャの子どもが「学校で学んだことを、家に帰ってから親に共有している」と語っていたことを紹介し、子どもが学ぶことによって、学校に通っていない保護者や地域の大人たちにも学びの輪を広めることができることを伝えました。

関先生は、教育を通じて子どもたちの安心・安全が保障されること―そのこと自体の大きさを強調しました。「子どもたちが学校で友だちと過ごすことで、心理的に安心できる場所になっている」、「社会の中でどのように振る舞えば良いのかといった社会規範を学ぶことができる」といった観点からも、「紛争下の教育」は読み書きの学習にとどまらず、子どもたちの心の安定や社会性の形成を支える役割をもつことを語りました。


「想いの詰まった授業を提供する」「子どもたちの興味を引き出すために」〜学校現場の声〜



セミナーを通じて、参加者から多くの質問が寄せられました。

学校教員である参加者からの、「日本とは地理的に遠くで起きている問題に対して、どうやって授業時間を使い向き合えるだろうか」という質問について、高校で教えている関先生は、「ただ教科書をこなすだけの授業ではなく、授業のテーマと関連づけて国際的な問題も扱うように意識している」と語りました。
高校では、生徒も教員も大学受験が一つのゴールになりがちのところ、総合・探究の時間等を活用し、国際課題についての考えを深める機会をつくっていると言います。

松倉先生は、自身が勤務する埼玉県の中学校にて、セーブ・ザ・チルドレンをゲスト講師として迎え、授業を実施した経験を共有しました。松倉先生によると、「実際の現場を知っている人から生で話を聞くことにより、子どもたちは刺激を受け、自身の暮らしと国際的な課題を結びつけて考えやすくなる」という側面があるそうです。

ロヒンギャの子どもたちの教育事情について、多くの参加者から心を動かされたとの反響が寄せられました。
以下、参加者の声を抜粋してご紹介いたします。

<セミナー参加者からの声>

●ロヒンギャ難民という呼称は知っていても、これまでその実態を知る機会はまったくありませんでした。なかなかマスコミでも取り上げられないロヒンギャの子どもたちの問題を取り上げて頂いたことが良かったです。

●現地で活動しているスタッフや、現地を訪問した先生方の、実際に「見て、聞いて、感じて、触れ合い、苦労した」話を拝聴し、ロヒンギャ難民の問題をもっと自分事に感じられた内容だったと思いました。

●ロヒンギャの子どもたちに対する社会的関心の低下や、支援金減額による深刻な事態を知ることができました。しかし、その中でも教育プログラムを受けることにより実際に教師になった方々がいるなど、わずかながらも教育を受ける事による希望がある事を知れたのが良かったです。



セミナーの最後には、アドボカシー部長の堀江由美子より、セーブ・ザ・チルドレンによる「紛争下の教育」をテーマとした出前授業や、学校などにおける募金活動への協力呼びかけも行いました。

遠くで起きている問題でも、「知る」ことが、子どもたちの「今と未来」を守る一歩になります。
セーブ・ザ・チルドレンでは引き続き、現場での支援活動とともに、紛争影響下の子どもたちの教育についても発信していきます。

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(アドボカシー部 社会啓発チーム)

 

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