日本(公開日:2021.05.10)
子どものみなさんへ アンケートに答(こた)えてくれてありがとう 〜結果(けっか)を発表(はっぴょう)しました〜
2020年4月に親などによる子どもへの体罰(注1)が法律で禁止されてからおよそ1年がたちました。
2021年2月、セーブ・ザ・チルドレンは「子どもアンケート〜あなたの考えをおしえてね!〜」で、体罰や「子どもの権利」についてみなさんに聞きました。
子どもアンケートには、小学生から17歳までの344人から回答が集まりました。子どもアンケートに協力してくれたみなさん、みなさんの意見や声を聴かせてくれて、ありがとうございました!
(注1)体罰:おとなが子どもに、やってはいけないことを教える(罰を与える)時に、たたく、ける、ずっと正座させる、家の中に入れない、ごはんを食べさせない、など、わざと子どもを傷つけ、苦しい思いをさせること。
<子どもアンケートからわかったこと>
●しつけ(やってはいけないことやルールなどを教えること)のためにおしりをたたくことは、およそ4人にひとり(26.5%)が「やっていい」(注2)と答えた
(注2)「やっていい」と答えた、とは、「積極的にやっていい」「必要があればやっていい」「他に方法がないと思ったときだけやっていい」のどれかを選んだ人のことです。
●子どもを怒鳴りつけることはおよそ半分(48.0%)が「やっていい」と答えた
●およそ5人にふたり(38.7%)が、これまでにおうちのおとなの人からなんらかの「体罰等(注3)を受けたことがある」と答えた
(注3)アンケートでは、次のこと(=体罰等)をされたことがあるかどうかを質問しました。なぐる、手加減せずにたたく、ける、おしりをたたく、どなりつける、「だめな子だ」という、にらみつける、子どもをずっと無視する、ベランダなどにとじこめる、ごはんを食べさせない
●「体罰等を受けたことがない」人の方が、「身近なおとなに自分の意見を聴いてもらっていると思う」人が多かった
●およそ5人にふたり(39.4%)が、「子どもの権利」を「よく知っている」「少し知っている」と答えた
<たたかれたり、怒鳴られたりしなくていいんだよ〜権利について知ろう>
今回のアンケートで、おしりをたたくことや怒鳴りつけることなどを「やっていい」と思う子どもが多くいることがわかりました。しかし、子どもには、「あらゆる暴力から守られる」という権利があります。「あらゆる暴力」には、おしりをたたくことや怒鳴りつけることも含まれます。つまり、「しつけ」と言っておしりをたたいたり、怒鳴ったりしてはいけないのです。
権利とは何でしょうか。暴力をうけないことだけではなく、ごはんが食べられる、水が飲める、学校に行ける、言いたいことを言える、いじめられない、自由な時間がある、遊べる、助けてもらえる、などは、みなさんにとって、とっても大事なことです。こうしたことは全部、みなさんが生まれながらに持っている「権利」です。
食べる権利、水を飲む権利、学ぶ権利、意見を言う権利、意見を聴いてもらう権利、遊ぶ権利、そして暴力をうけない権利を、みなさんはみんな持っています。誰もみなさんから権利を奪うことはできません。みなさんは大切な一人の人間だからです。
<さいごに>
セーブ・ザ・チルドレンは、「子どもアンケート〜あなたの考えをおしえてね!〜」と同時に、おとな2万人にも体罰等について調査をしました。おとなの調査結果は、子どもアンケートの結果とともにまとめ、3月26日に報告書『子どもの体やこころを傷つける罰のない社会を目指して』として発表しました。
みなさんの権利が奪われることがないよう、セーブ・ザ・チルドレンは、国やおとなに、アンケートに回答してくれたみなさんからの大事なメッセージを伝え、みなさんが持つ子どもの権利を守るように働きかけをしていきます。
(東京事務所 西崎萌)