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日本
(公開日:2022.02.24)

こども家庭庁設置法案の閣議決定に対する声明を発表

 
2022年2月25日、日本政府は「こども家庭庁設置法案」を閣議決定しました。1994年の子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)への批准以来、これまで国内で子どもを中心に据えた子どもの権利擁護に対する横断的な取り組みがなかったことから、セーブ・ザ・チルドレンは、こども政策の司令塔となるこども家庭庁創設にむけた法案がとりまとめられたことを歓迎し、今後の国会での議論に期待します。


この度閣議決定された同法案に、「こどもの意見を尊重し、その最善の利益を優先して考慮する」ことが基本であると明記され、かつ、「こどもの権利利益の擁護」がこども家庭庁の任務であると明記されていることを評価します。こども家庭庁には、こどもの意見を聴き、その意見を考慮し、子どもの権利の推進に資するために、必要な施策や制度を構築していくことが求められます。そのために、以下の3点が今後の国会で議論されることを求めます。

  1. 子どもの参加の仕組みを:基本方針に沿って今回新たにできる「こども家庭審議会」の中に意義ある子ども参加の仕組みを盛り込む等、子どもの意見を聴くための具体的な制度の構築について検討がなされることを求めます。子ども参加の制度においては、地方自治体との連携、草の根で子どもたちとともに活動する民間の団体との連携が重要となります。また、制度設計プロセスにおいては、子どもたちとともに検討、設計していくことが必要です。
  2. 十分な予算の確保を:1の実施を含め、子どもの権利の推進のためには、子どもに関する予算の拡充が急務となります。岸田文雄首相は、本国会(第208回)の答弁で「子育て予算倍増」と繰り返し発言しています。子ども・子育てに関連する予算について、対国内総生産(GDP)比3%台半ばを目指すよう求めます。
  3. 権利基盤の基本法を:こども家庭庁創設と並行して与党内で議論されているこども基本法は、こども家庭庁の政策理念を提示するものになります。同基本法が、子どもを権利の主体として認識し、その最善の利益を確保し、意見表明権を含む条約で認められる権利を実現するためのもの、つまり、子どもの権利を基盤とするものになり、今国会で成立することを強く望みます。

セーブ・ザ・チルドレンは、こども家庭庁が、子どもの権利条約に則り、子どもの権利を保障する社会への歩みを政策として着実に進めることを期待します。また、こども家庭庁創設までのプロセスにおいて、また、創設後の政策実施においても、子どもの声が聴かれ、かつ十分に考慮され、その声が反映されることを引き続き求めていきます。

声明全文(PDF)はこちら

 

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